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2024/04/19

川崎市・横浜市のカイロプラクター・柔道整復師・理学療法士と意見交換を行いました

川崎市・横浜市のカイロプラクター・柔道整復師・理学療法士と勉強会を開催しました。

2024年4月18日

内容
・モートン病に対する各専門職種ごとのアプローチ法
・スクワット動作の評価方法とキネシオテープが与える影響

川崎市・横浜市のカイロプラクター・柔道整復師・理学療法士と意見交換を行いました
川崎市・横浜市のカイロプラクター・柔道整復師・理学療法士と意見交換を行いました

2024/04/18

非特異的腰痛について

非特異的腰痛とは、医師の診察および画像検査(X線やMRIなど)で腰痛の原因が特定できる特異的腰痛と違い、厳密な原因が特定できない腰痛のことをいいます。
腰痛の原因は、脊椎由来、神経由来、内臓由来、血管由来、心因性、その他に分けられます。
これら多種多様な原因は、診断法が確立し、病態に対応した治療法が存在している疾患と、疾患の診断と治療が確立していない疾患・症候群の2群に大別されます。
このうちの後者が、非特異的腰痛と呼ばれます。
これは、診断・治療いずれにも不十分な手法しかない、あるいは医療者誰もが納得する共通の診断・治療法がないものであり、筋・筋膜性や椎間板性、心因性腰痛などが当てはまります。
このように非特異的腰痛は、明らかな原因のない腰痛を総称するもので、画像診断上の脊椎変性所見が症状と一致しないものが多く存在します。
下半身の痛みや痺れなどの症状を伴わない腰痛に対して、病理解剖学的な診断を正確に行うことは困難です。
まず、腫瘍、感染症、外傷による脊椎疾患および神経症状を伴う脊椎疾患を鑑別することが重要です。
非特異的腰痛は、脊椎を主とする運動器と脳、両方の機能不全が共存した状態であり、生物・心理・社会的疼痛症候群として捉える必要があります。
臨床的特徴として、多くは椎間板のほか椎間関節、仙腸関節といった腰椎の関節部分、そして背筋など腰部を構成する組織のどこかに痛みの原因がある可能性は高いですが、特異的、つまり、どこが発痛源であるかを厳密に断言できる検査法がないために、痛みの起源を明確にできないことが挙げられます。
また,骨のすべりやヘルニアなどの画像上の異常所見があっても、腰痛を訴えないこともある一 方で、腰痛があっても画像所見は正常な場合もあります。
つまり、画像上の異常所見は必ずしも痛みを説明できるわけではありません。
ぎっくり腰などの非特異的急性腰痛は、多くは短期間で軽快しますが、一度発症すると、その後長期にわたり再発と軽快を繰り返しやすいことが特徴です。

非特異的腰痛は、腰痛全体の 85%を占めるとされています。
慢性的に繰り返す腰痛の多くが非特異的腰痛に分類されます。
いわゆる「ぎっくり腰」や「筋・筋膜性腰痛」もこの分類に入ります。
一方、日本の腰痛原因の調査報告によれば、腰痛の原因の内訳は椎間関節性22%、筋・筋膜性18%、椎間板性13%、狭窄症11%、椎間板ヘルニア7%、仙腸関節性6%などでした。
75%以上で診断が可能であり、診断不明の“非特異的腰痛”は、逆に22%に過ぎませんでした。
非特異的腰痛の臨床経過を1 年以上観察した報告では、最初の3か月で33%の患者の症状が改善しましたが、1年後では65%の患者に腰痛が存在していました。
この結果から、非特異的腰痛では大部分の患者で自然回復するとはいえないと結論しています。

非特異的腰痛(急性・慢性)では、Red FlagおよびYellow Flagをトリアージします。
その後、疼痛と機能障害に応じて保存的治療が選択されます。

腰痛患者に対するX線撮影は、腰痛原因の初期診断には意義がありますが、神経症状を伴わない非特異的腰痛患者に対する初診時には必ずしも行う必要はないとされています。
下半身の痛みや痺れのない腰痛患者においては、早期の画像検査の価値は明らかではないという報告もあります。

器質的原因が不明であるため、問診が重要になります。
問診で神経症状が認められた場合は、神経症状の詳細な評価を行い、障害部位を特定する必要があります。
神経症状が認められない場合は、関節・筋を含む軟部組織の評価を行い、障害部位を特定する必要があります。

非特異的腰痛においては、手術療法の適応はなく、基本的には保存療法が行われます。
当院では、徒手療法としてモビリゼーションやマニュピレーションを中心に行い、ホームケアとして脊椎安定化運動や筋力トレーニング、有酸素運動、ストレッチングなどを行なっていただいております。

非特異的腰痛について
非特異的腰痛について

2024/04/17

EBPについて学んできました

枚方市理学療法士会
EBPの実践に向けて

2024年4月17日
公益社団法人田附興風会 医学研究所 北野病院 リハビリテーション科の先生に
Evidence Based Practiceについてご講義いただきました。

EBPについて学んできました
EBPについて学んできました

2024/04/16

脊髄損傷について学んできました

枚方市理学療法士会
脊髄損傷者の評価 ~ISNCSCI~

2024年4月16日

神奈川リハビリテーション病院 理学療法科 リハビリテーション工学研究室の先生に
脊髄損傷患者の検査方法についてご講義いただきました。

内容まとめ
・ISNCSCIは脊髄損傷の国際基準評価である。
・NLI(神経学的損傷高位)とAIS(麻痺の重症度)の2つで脊髄損傷の障害の程度を表す。
・NLI/AISをもとに予後予測を行い患者にとって最適なプログラムの立案と実施が重要。
・再生医療後の経過を追うには施設間で共通した評価を行い、その正確性を担保することが重要。

脊髄損傷について学んできました
脊髄損傷について学んできました

2024/04/16

腰椎椎間板ヘルニアについて

腰椎椎間板ヘルニアの臨床症状としては
①膝下・ふくらはぎ・足首まで広がる痛み
②神経根の走行に一致する痛み
③咳やくしゃみにより悪化する痛み
④発作性の痛みなど

誘発所見としては神経の伸長(SLR テストやラセーグ徴候)によって誘発され、他覚的所見としては発症初期は痛みによってうまく歩けないこともあります。
また、痛みを避けるために背骨の歪みを作り、 腰のカーブは減少していることが多ことが知られています。
痛みがある側へ腰を曲げたり伸ばしたりを強制すると痛みが誘発されます(Kemp 徴候)。
神経脱落所見として、障害神経根に対応した深部腱反射の低下・消失、感覚障害、筋力低下が単独ないし重複して出現します。

腰椎椎間板ヘルニアの発生は男性に多く、好発年齢は20~40歳台、好発高位はL4/5、L5/S1、次いでL3/4間とされています。
年齢の上昇とともに L2/3、L3/4間といった高い位置の発生率が上昇するとの報告もあります。
自然経過として、ヘルニアのサイズが大きいものや、遊離脱出したもの、MRIでリング状に造影されるものは高率で飛び出た部位が自然に小さくなること(自然退縮)が明らかになっています。
自然退縮の時期は、およそ2~3か月で著明に退縮するヘルニアが少なくないと推定されています

腰椎椎間板ヘルニアは、椎間板の退行変性(老化現象)によって生じた線維輪の亀裂から、変性髄核が脊柱管(脊髄の通り道)に突出または脱出して神経根を圧迫し、腰痛または根性坐骨神経痛をきたす疾患です。
労働状況などの環境因子は椎間板変性の発生要因ですが、ヘルニアの発生要因としての関与は明らかとなっていません。
また、スポーツがヘルニアの発生を誘発または抑制するかについても明らかとなっていません。

腰椎椎間板ヘルニアに対する一般的な流れは
・問診と理学検査により、重症の馬尾症候群をトリアージします。この場合、早期の手術療法が適応となるため医療機関に紹介します。
・医療機関でMRIによる評価が推奨されますが、症状がないヘルニアが存在するので解釈には注意が必要です。
正しい病歴のカウンセリングが重要であり、そのなかでも以下の4つが重要とされています。
①膝下・ふくらはぎ・足首まで広がる痛み
②神経根の走行に一致する痛み
③咳やくしゃみにより悪化する痛み
④発作性の疼痛
SLR テスト 以外の所見、すなわち筋力、知覚、腱反射などの神経学的所見は診断と一致しないという報告もあります。
なお,下肢伸展挙上(Straight Leg Raising:SLR)テストは感度が高いため除外診断に、Crossed SLR テスト(健側のSLR を実施)は特異度が高いので確定診断に用いられます。

保存療法は、運動療法、徒手療法、物理療法、薬物療法に大別されます。
運動療法には、脊椎安定化運動、全身的な筋力トレーニング、有酸素運動、治療体操などがあります。
徒手療法には、モビリゼー ション、マニピュレーションなどがあります。
物理療法としては、牽引療法、温熱療法、寒冷療法、電気療法(TENS など)などがあります。
いずれも患者の症状、状態に応じて選択されます。
薬物療法では非副腎皮質ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、硬膜外副腎皮質ステロイド薬の注入療法などがあり、医師の判断によって適宜使用されています。
運動療法、徒手療法、物理療法、薬物療法などの結果、改善を認めた場合は保存療法を継続し、最終的には再発予防のための患者教育を実施します。
改善を認めない場合は医師の判断のもと手術療法の適応となるか否かが決定されます。

当院が担う役割は医療機関での治療後の再発予防のステージになります。
当院での施術内容は1〜3ヶ月目まではモビリゼーションやマニピュレーション、徒手的に牽引を行い即時的な痛みの軽減を図ります。2ヶ月目以降はモビリゼーションやマニピュレーションと並行して脊椎安定化運動、全身的な筋力トレーニング、ストレッチング、有酸素運動、腰椎伸展運動、ウィリアムス体操などを状態に応じて組み合わせて行います。
また、ホームケアとして来院時に行なったトレーニングや生活環境の見直しを行なっていただきます。

腰椎椎間板ヘルニアについて
腰椎椎間板ヘルニアについて

2024/04/15

頸部痛(首の痛み)について

頸部痛は、スマートフォンやパソコンが普及した現代社会においては、一般的によく認められる症状の一つです。
肩や腕に広がる症状を伴う頸部痛の場合、神経根や脊髄への圧迫が原因となっている場合があります。
日本においては、肩甲骨周囲の痛みや違和感は肩こりとして捉えられている場合があります。
また頸部痛は、痛みに伴い日常生活への影響をきたすことで、社会的および職業的な制約を生じ、生活の質にも影響するようになります。
そのため頸部痛は、公衆衛生上でも大きな課題になっています。

特徴として以下の広範囲のものが挙げられます。
①一般的に再発することが多い。
②時間経過とともに進行するか、特定の職業、スポーツや交通事故の外傷後に発症することが多い。
③関連した症状としては、頭痛、めまい、睡眠障害、首から肩および腕に広がる痛みなどが生じることがある。
④関連して首の動かしにくさ、首から肩・腕の筋力低下や感覚障害などが生じることがある。
⑤外傷後に発生した頸部痛は、強い疼痛、側頭部や顎の症状、認知および感情障害など広範囲にわたる症状が関連して起こることがある。
⑥不安や鬱などの心理・社会的な要因を合併している場合も多く、状態の進行やより重症化することが示唆される。

2008年の米国理学療法協会による頸部痛臨床診療ガイドラインは以下の4つに分類しています。
①運動機能障害を伴う頸部痛
②運動協調機能障害を伴う頸部痛
③頭痛を伴う頸部痛
④放散痛を伴う頸部痛

頸部痛とそれに伴う障害は、よくみられる症状であり、年間に一般人口の30~50%に影響を与えています。
そして、1 年間に一般人口の2~11%、労働人口の11~14%が頸部痛のために日常生活が制限されています。
また 1 年間の頸部痛の発生率は10~20%であり、時点有病率は一般人口の約 15%であるとの報告もあります。
そのため、日常生活だけでなく経済活動に対する負の影響が認められます。
発症年齢は、中年世代(平均年齢49歳)に多く、性別では女性に多いと報告されています。
また、頸部痛は緩解した場合でも再発が多いことが知られています。

頸部痛発症の絶対的な危険因子としては性別(女性に多い)、年齢(高齢者に多い)があり、予防可能な因子としては、長時間にわたるデスクワークや運転など頸部に負荷のかかる業務、喫煙、社会的サ ポート不足、過重な仕事量、頸部もしくは腰部機能障害の既往などが挙げられます。
職業としては、医療職や事務職などパソコンを扱う職業に多く、そのうち女性と頸部痛の既往のある人が、頸部痛再発の強い危険因子であると報告されています。
労働者における頸部痛に関連する危険因子は、年齢、筋骨格系痛の既往、高度な定量的仕事の要求、職場での低い社会的な援助、不安定な仕事、低い身体能力、パソコンによる仕事環境の劣悪性などがあります。

頸部痛の評価は、まずRedFlagsの有無についてカウンセリングや検査で行うことから始めます。
具体的には、外傷性の骨折や脱臼、脊髄の悪性腫瘍、化膿性脊椎炎、外傷後などの重篤な頸髄症による脊髄刺激症 状が認められる場合、外傷などにより上位の靱帯損傷が疑われる場合などであり、理学療法は原則として禁忌となるため、その場合は医療機関をご紹介します。
また、慢性の心理的および社会的予測因子であるYellowFlags、痛みや健康の仕事への影響についての認識であるBlueFlags、仕事の不適応など回復に対する障害であるBlackFlagsは、頸部痛における発症や病状の進行に影響を及ぼすため、注意深くカウンセリングを行っております。

RedFlags がない場合は、頸部痛が神経根症状なのかどうかを評価します。
評価方法には、スパーリングテストやニューロダイナミックテスト(neurodynamics tests)などの症状を誘発する末梢神経障害に関連するテストを行います。
そのほか関節可動域テスト、筋力テスト、感覚テスト、腱反射テスト、Neck Disability Index(NDI)や SF-36、Patient-Specific Functional Scale(PSFS)などの自己記入形式の質問票を用いた日常生活や生活の質の検査、必要に応じて心理社会的な検査を必要に応じて行います。
神経根症状と判断された場合でも、自然経過で何%かが改善することもありますが、自然経過で改善しない場合は、関節可動域改善、筋力や筋持久力増強などの運動療法、モビリゼーション、マニピュレーション、神経モビリゼーションなどを行います。
神経根症状がない場合においても、痛み、機能テストやJOAスコア、日常生活活動テストなどを必要に応じて行います。
施術としては、関節可動域改善などの運動療法、深部筋トレーニング、姿勢トレーニング、モーターコントロールトレーニング、モビリゼーション、マニピュレーション、生活環境調整やセルフケア指導、心理学的介入などの包括的なプログラムを行います。

また、当院ではCentralizationの概念に基づいた施術やエクササイズも取り入れています。
centralizationとは特定の方向に動ける限界まで繰り返し動かすことで手指などの末端にあった症状が徐々に首の中心に移動していき、最終的には消失するという現象です。
約 55%の方にみられる反応で、最もcentralization がみられやすい方向は首を反らす方向だと報告されています。
centralizationが起こる方向に繰り返し運動することは、短期的には首だけではなく、頭痛や腕の痛みも弱める効果があるとする研究結果があります。

頸部痛(首の痛み)について
頸部痛(首の痛み)について